「ほんとカッコいいよね」。BLUCO(ブルコ)代表・青木さんは視線を一点に向けたまま、屈託なくそう言って破顔した。その眼差しの先にあったのはモトグッツィ随一の希少車V7-700の’67年モデルだ。
V7は現在に至るまで同社の技術的代名詞であり続ける縦置きVツインの始祖。そう聞けばモトグッツィというブランドのヒストリーにおいて、いかに重要な立ち位置を占めるモデルであるか理解しやすいのではないだろうか。
けれど生粋のバイク狂であり、潤沢な経験を持つ青木さんはそのレアリティに物怖じすることなく、普段の足として気軽な付き合いをしている。
いつものようにBLUCOのワークウェアに身を包み、気取らず都内の車列の中を鷹揚に流す青木さんの日常を伝えたい。
(写真/山田健太郎 文/馬場啓介)
BLUCO(ブルコ)の青木さんは常に活力に満ちていて、そのポジティブな輝きは人をぐいぐい惹き付ける魅力がある。けれどこの日はその光輝が一段と高まっているようにも感じられた。きっとそれは、新しく手に入れた愛機モトグッツィV7-700の影響だろう。
「モトグッチはトンティーフレーム以前のモデルだけで6~7台乗ったかな。この’67年式のV7は技術革新でメカニズムがガラッと様変わりする前の最後のモデルで、ずっと興味があったの。でも日本には多分3台くらいしかなくて、易々とは手に入れられなかったんだ」
「そんな折、『46ワークス(※八ヶ岳にある欧州バイクのカスタムショップ)』の中嶋君から、その内の1台が売りに出るって聞いて、すぐに飛び付いたよ(笑)。BMWほど洗練されていなければ、ハーレーほどワイルドじゃない。本当にいい塩梅で、一度乗っちゃうと抜け出せないね」
目下、ハンドルを低めのプルバックに換装した他にカスタムには着手していない。それよりも走ることを楽しもうというスタンスだ。元来V7は官公車として開発されたタフなモデルだけにBLUCOのウェア同様、ハードユースの向こう側に光るものが見えてくるのかもしれない。
純然たるワークウェアメーカーとしてひた走るBLUCOのワードローブは今期もまた快調だ。意外なことに、ロングスリーブTはブランド創立15年目にして初めてのラインナップとのこと。袖にあしらわれた『安全第一』のメッセージがいかにも心憎い。
表地に撥水加工を施し、大型の内ポケットをふたつ設けるなどライディングに特化した同メーカーの定番のコーチジャケットも健在。ベースボディとして有名ブランドからも引く手あまたという事実が、その堅牢たるクオリティの証左だと言えるだろう。
青木さんが羽織ったのは、親交の深い千葉のサーフショップ『ワンワールド』を介して実現した『ソフトマシーン』とのトリプルコラボ。タトゥーカルチャーをアパレルに投影するブランドとのジョイントワークとあり、背中で雄弁に語るグラフィックが特徴だ。
BLUCOと両輪を成して疾走する類縁の『アンクラウド』も忘れてはならない。ヴィンテージサングラスをイメージソースに、風の巻き込みを考慮してリデザインしたバイカーシェードや、グローブを筆頭とする質実剛健なバイクギアがタフなバイカー達に人気を博している。
「キャップはいつもボディからこだわって作ってるね。今かぶってるのは『ショップサムズ(※目黒を拠点とするハーレーのチョッパー専科)』のオサムさんにデザインしてもらったロゴを刺繍したロープキャップ。やっぱり上手いよね、センスが抜群にいい」
ダイビングバッグと同等のターポリン素材をふんだんに使った完全防水のバックパックも目玉となる新作だ。そしてシッシーバーに括り付けやすい様に背面のストラップは脱着可能。こうしたバイク乗りならではの発想で、1デイのキャンプなどに適した機能性も保持している。
「今、新しくBLUCOのショールームを建ててるんだよ」と口元を綻ばせながら話す青木さんは『Work Hard, Play Hard』を地で行く目まぐるしい日々を送っている。そしてそんな行動力が引力となって人を惹きつけ、おのずとしかるべき人たちの手元に商品も染み透っていく。
キャップ | OL-204-020 ¥3,800 -taxin |
---|---|
Tシャツ | OL-804-021 ¥4,800 -taxin |
コーチジャケット | BLUCO x ONE WORLD x SOFT MACHINE Coach Jacket ¥13,800 +tax |
ワークパンツ | OL-004 ¥9,800 -taxin |
ソックス | OL-304 ¥3,800 -taxin (2-Pack) |
シェード | UC-034 ¥14,800 -taxin |
グローブ | UC-110-021 ¥11,800 -taxin |
バックパック | OL-500-021 ¥12,800 -taxin |
ショップ | BLUCO STORE |