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ス行のバイク用語集

スーサイド・シフト【Suicide Shift】

直訳すると、自殺行為のシフト。それほど危険を伴う操作とされ、フットクラッチとジョッキーシフトの組み合わせを言う。具体的に、フットクラッチがロック機能を持たないため、自動車と同じように踏み続けることでクラッチを切る。また、ギヤが入っている時に停まるには左足を踏み続けなければならず、もし離せば途端にエンストしてしまう。更に、ギヤチェンジをする際もその都度ハンドルから左手を離さないと操作はできない。こうした一連の操作に慣れるまでは、かなりの危険が伴うことからこう名付けられている。ちなみに、坂道発進などはその最たる例で、体右側のブレーキと左側のクラッチワークを巧みに調整しなければスムーズな発進は不可能だ。

スーパー・チャージャー【Super Charger】

日本では別名、過給機と呼ばれる。原理は、エンジンの力を使って専用のコンプレッサーを回転。そうすることで空気に圧力をかけて大気圧よりも高くし、強制的に沢山の空気をエンジン目掛けて一気に送り込む装置を言う。吸い込む空気が増えれば、自然と燃焼効率も上がるという論理である。そして、馬力よりもトルクアップが特徴となる。

スーパーグライド【Superglide】

1971年にリリースされたハーレーダビッドソンのモデル。ウィリー・Gが初めてデザインをすべて担当した記念すべきモデルでもあり、リアフェンダーのボート・テイルの斬新な形状が注目を集めた。スタイルは、ビッグツインのFLHの車体に、スポーツスターXLのフロントエンドを取り付けたものとなる。つまり、FLとXLを組み合わせた新開発の『FX』第一号でもあった。

スーパートラップ【Super Trapp】

エキゾーストサウンドと、排気効率を自由に調整できるマフラーシステムのこと。マフラーエンドに凸凹のディフューザーディスクを重ねることで、排気面積を広げて排気圧を減少。これはパワーアップを図るのと同時に、燃料の混合比を薄くして排気音を上げる効果を生む。このように、ルックスのみでなくキャブセッティングと合わせて利用できる実用的カスタムパーツである。

スキャット(ハーレー)【Scat (Harley)】

1962~65年の間に製造されたハーレーダビッドソンの小排気量モデル。同カテゴリー車種『ペーサー』と同じ175cc2ストロークエンジンを搭載。オンロードタイプのペーサーに対して、スキャットはアップマフラーとアップフェンダーを装備したオフロードタイプであった。

ステアリング・ダンパー【Steering Damper】

ステアリングに悪影響を及ぼす路面からの衝撃を抑えるダンパーを言う。装着方法としては両端をそれぞれフロントフォークとフレームに固定して用いる。

ストリートドラッグ【Street Drag】

400mの直線距離を競うドラッグレーサーを、ストリート(街中)仕様にカスタムしたスタイルのこと。スイングアームとフレームを延長して、ロー&ロングのフォルムを強調。そしてフロントフォークの長さはそのままで、角度を付けて装着される。肝心のエンジンは徹底的に手が加えられ、それと同時にブレーキも強化。日本では東京・練馬区のホットドック・カスタムサイクルズがこのスタイルの第一人者だ。

ストレッチ【Stretch】

フレームのネックからアンダーをつなぐダウンチューブを、パイプを継ぎ足して伸ばすこと。チョッパーにおける代表的なカスタム手法のひとつで、ロングフォーク・チョッパーに多く見られる。

ストローカー【Stroker】

ストロークを伸ばしたエンジンのこと。また、そのキットを指す。主なパーツにフライホイール、コンロッド、ピストン、シリンダーといったエンジンを構成する大部分が含まれる。その為、エンジンのチューニングメニューとしては大掛かりで、かかる時間や費用も大きい。

ストローク【Stroke】

エンジン内でピストンが上下に動く距離を指す。それはストローク量と呼ばれ、距離が短ければ高回転型のエンジン特性となり、長ければ低回転型のハーレーダビッドソンに代表されるトルクが太い乗り味となる。

スナップオン【Snap-on】

アメリカ・ウィスコンシン州に本拠地を置く、世界最高峰の工具メーカー。扱う工具は多岐に渡り、消耗品などの一部を除いてすべての商品に永久保証が付く。1920年代に創業者ジョセフ・ジョンソンが、5つのハンドルで10種類のソケットを交換して使えるレンチを開発したのが始まりとされる。一流のプロショップでのシェアが高いメーカーである。

スプリンガー・フォーク【Springer Folk】

フロントフォークの種類のひとつ。テレスコピック・フォークが主流となる前の、1910~40年代にかけて多くのバイクメーカーで純正採用されていたスプリングで衝撃を吸収するタイプのフォーク。その後も性能面を向上させて、ルックスの良さも相まりカスタムパーツとして不動の人気を誇っている。1988年にはハーレーダビッドソンがダンパー機能を内蔵した新設計のスプリンガー・フォーク装着モデルをリリースして話題を呼び、それは2007年まで製造された。

スプリント・エイチ(ハーレー)【SPRINT-H (Harley)】

ハーレーのスクランブラーモデルのはしりとされる、1963年発表のハーレー・アエルマッキ社製造のバイク。スクランブラーとはいえオン・オフ両用とされていた。前モデルのSPRINT-Cをスポーティーなスタイルに手を加えたのがSPRINT-Hである。’60年代初頭にはまだオフロードというカテゴリーが無かったため、デュアルパーパス(オン・オフ両用)のモデルが世界中で製造販売されていた。

スプリント・シー(モデル・シー・ハーレー)【SPRINT-C(MODEL-C Harley)】

イタリアのバイクメーカー、アエルマッキ社。1960年にハーレーダビッドソンに吸収されて、’61年にアメリカ本国に向けて販売されたモデルである。ベースになったのは’58年リリースのアエルマッキ・キメラであったが、キメラのフルカバードデザインではアメリカ人には受け入れられないとデザインを一新。そして誕生したのがスプリントCである。また、このモデルチェンジを機に、後の名車が続々と産み出されることになった。

スポーツスター【Sportster】

ハーレーダビッドソンの小排気量モデル。その名の通り、スポーツ走行を念頭に製作されたバイクとなる。1957年に最初のスポーツスターがリリースされ、モデル名はXLで統一、各仕様に応じてXLH、XLCHなどの名称が付けられた。原型は1952年に発表されたサイドバルブエンジン搭載のモデルKである。

スリップオン【Slip-on】

エンジンからの排気ガスを出す部分のエキゾーストパイプにはめ込んで使用するマフラーのこと。スリップオン・マフラーとも言う。直訳では『脱着が簡単』の意味。

スロットル【Throttle】

ハンドル右側に取り付ける筒状のパーツ。スロットルホルダーに挟まれる格好で装着され、キャブレターと連動するワイヤーにつながっている。このスロットルを手前に捻ればつながったワイヤーが引っ張られ、キャブレターが開く仕組み。アクセルと呼ばれることもあるが、正しくはスロットルである。

スワップミート【Swapmeet】

主に中古をメインに、新品も含めたバイクやパーツを安価で売買するイベントのこと。パーツの他にもグッズやウェア、骨董品など多種多様な商品が扱われ、滅多にお目にかかれない掘り出し物が見付かる確率も高い。