
HARLEY-DAVIDSON JD 1928
GRASS HOPPER MOTOR CYCLE
希少車を乗り倒す
痺れるランドスケープ
生産台数が少なく、長いハーレーの歴史の中でも希少とされるモデルがこのJDである。エンジンは伝統のOHVではなくFヘッドと呼ばれるもので、これは吸入がOHV(オーバーヘッドバルブ)でありながら排気はSV(サイドバルブ)という特殊な構造を持ったものだ。一般的にはオホッツバルブの名で知られている。
そんな’28年式JDを、ありがたがって大切に保管するのではなく、日常の足にガシガシ乗り倒すのがグラスホッパー代表の山田さんだ。
「手に入れた時はバラバラの状態で、ほんとエンジンとトランスミッション、フレーム、タンクぐらいしかなかった。だからそこから徐々にパーツを揃えていって、まあヒルクライムのイメージで綺麗に仕上げた感じですね」
そもそもは、「こんなバイク乗れるもんじゃないだろ」、という認識で、興味本位で手にしたものだったそうだ。しかしそれを分解して中を見るや、一気にもってかれた。作り込みが半端じゃない。構造は単純ながら製作過程が強烈で、現代の技術を持ってしてもこれを作るコストを考えたら実現可能かどうかは怪しい。特にシリンダーなどはその最たるもので、ホレボレする構造に満ちていたと言う。
「あとは内燃機的な話ですよね。サイドバルブのエンジンが存在してたのに、OHVのインテークを付けて試行錯誤して。でも結局は、このJDが終わったらサイドバルブに戻るじゃないですか。だからその模索してる過渡期の様子がエンジンを見て想像出来るのが面白いなって」
こうなってくるともはやエンジン屋の嗜好である。カスタムよりも内燃機に重きを置く同店のスタンスを見れば、まさにドストライク。
コレクターとは対極に位置する、『走ってなんぼ』を御旗に掲げる山田さんは、特段オリジナルにこだわるでもなく、ノーマルタンクやフェンダーの他に、時代考証を踏まえたヴィンテージパーツとワンオフを駆使して今のシルエットへ製作していった。そして、レアなモデルだろうがなんだろうがお構いなくブン回す。他の車両となんら変わることなく、希少車と呼ばれるモデルを時にラフに扱う姿は見ていて痛快ですらある。
Youth gone wild。例えば、誰もが見惚れる女を猫可愛がりする男もいれば、その逆もまた然り。どっちが良いかは問題じゃなく、少なくとも男が見ていて景色が良いのはどちらという話。飾らないクール。グラスホッパーにはそれがある。
HARLEY-DAVIDSON JD 1928 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルとライザーはフランダースレプリカ。グリップはシカゴ製でヒルクライマーのイメージを踏襲する。
FRONT FORK
丹念な作りが古き良き時代を想像させる純正フォークを使用。ヘッドライトはユニティのスポットランプ。
GAS TANK
タンクは純正で、ペイントにグラデーションをかけてオリジナリティを出す。メーターはコービンオリジナル。
ENGINE
特徴的なオホッツバルブエンジンの1200cc。ピストンはショベル用を加工して使い、ボーリング後にセットする。
MUFFLER
入手困難だった為オリジナルに倣ってワンオフ。マフラー側でセッティングを出す際の排圧調整用パーツも製作。
REAR FENDER
フェンダーは純正をカット。テールライトはクロッカーレプリカで、タンク同様のグラデーションが入る。
BUILDER’S VOICE
GRASS HOPPER MOTOR CYCLE
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