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シ行のバイク用語集

ジー【G】

重力によって生じる加速度の単位。Gの前に数字をつけて表記する。例えば、3Gなら重力の3倍にあたる負荷が体にかかるという意味。これは体重70kgの人であれば、210kgもの負荷がかかるということ。

シー・アール・ティー・ティー(ハーレー)【CRTT (Harley)】

1963年発表。ハーレー・アエルマッキ社唯一の4ストロークエンジンである、水平単気筒OHVエンジンを搭載。ホンダ・カブにも採用されているこのエンジンは、冷却効率が高いばかりでなく、エンジン自体の重心が低いために走行安定性を強力にサポートする役目も果たしている。1966年には当時最も人気のあったイタリア人ライダーレンツォ・パゾリーニにより、MotoGPの350ccクラスで3位入賞に輝いている。

シー・アール・フレーム【CR Frame】

1977~81年に採用された、ハーレーダビッドソン・カフェレーサーモデルのXLCRのフレーム。1977年からエンジンが1000ccにアップし、KフレームからXRフレームの形状に似たCRフレームへと変更された。ちなみにオリジナルのサイドカバーを装着したのはこのCRからで、1982年にカバーを標準装備したFXRと比べても10年早い仕様だったことが分かる。

ジー・ビー・アイ・エス(ゴージャス・バット・イッツ・スロー)【GBIS (Gorgeous But it’s Slow)】

美しく豪華な装備を持つバイクではあるが、スピードが遅いものを言う。

シー・ブイ・キャブ【CV Carb】

ハーレーダビッドソン・エボリューション以降のモデルに純正採用されているキャブレター。負圧式のため、例え荒いスロットル操作をしても柔軟に対応し、低速から高速域のすべてにおいてスムーズな乗り味をサポートする。簡単に言うと、SUキャブの良い所取りをしたキャブで、面倒なメンテナンスは必要なく、加速ポンプまでセットされたものとなる。

ジーザス【Jesus】

一般的にはイエス・キリストのこと。しかしカスタムバイク・シーンでは、走行中にハンドルから手を離してバイクのシート上に立ち上がり、更に両手をキリスト像のように左右に広げて直立したポーズを取ること。スタントライドのひとつである。

シーシーアイ【CCI】

Custom Chrome Incの略。ハーレーダビッドソン用のあらゆるパーツやアイテムを販売する、世界最大のパーツ・ディストリビューター。コーストサイクルズの名でカリフォルニア州サンノゼで創業し、電話帳のように分厚いカタログを使ったパーツ販売で成長した。

シービー・セブン・フィフティ(ホンダ)【CB750 (Honda)】

1969年にホンダから登場した、世界初の並列4気筒750ccOHCエンジンを搭載したバイク。最高速度は200km/hを記録し、世界で初めて前輪にディスクブレーキを装備した量産車である。70年代のアメリカでチョッパーのベース車としても使われた。

ジェイ(ハーレー)【J (Harley)】

1920年代に製造されたハーレーダビッドソンの主要モデル。1919~29年までリリース。搭載されたオホッツバルブエンジン(Fヘッド)は1919年までは排気量1000ccで、1920年から新たに1200ccバージョンが加わった。サイドカーモデルを含めてJA、JB、JD、JDHなどがある。

ジェイ・エー・ピー【J.A.P】

正式にはJ.A.プレストウィッチ・インダストリーズ。1895年にイギリスで創業した、バイクやクルマ、航空機エンジンの製造販売を手がけていたメーカー。イギリスで初めてOHV(オーバー・ヘッド・バルブ)エンジンの開発に成功したことで一躍その名が知られることになる。自社でのバイク製造期間は1904~08年と短い。

ジェイ・エム・シー・エー【JMCA】

JAPAN MOTORCYCLE ACCESORIES ASSOCIATION=全国二輪用品連合会の略称。バイク用品を製造する国内メーカーの連合団体。カスタムマフラーの騒音対策を行い、認証したマフラーにはJMCAマークを付与。これらは車検対応とされる。

ジェイ・ブレイク【Jay Brake】

ハーレーダビッドソンをメインに、ブレーキキャリパーやハンド&フットコントロールなどの製造販売を手がけるパーツメーカー。1981年にニューヨーク州で創業し、現在はアルミビレットの各パーツはカスタムの定番として広く用いられている。

ジェイソン・ジェシー【Jason Jesse】

1980年代に10代でプロスケーターとなり、以後アメリカ西海岸のスケートボードメーカー、SANTA CRUZのトップライダーとして活躍。またその後、チョッパービルダーとしても活動し、彼の手がけるオールドスクールなカスタムは多くのファンを始め、一部のプロショップまでもが模倣する現象が発生。『ハイボンド』や『ドリブン』など、自ブランドも展開し、今も尚アンダーグランドシーンでカリスマ的人気を持つ。希代の伊達男としても知られ、メディアの撮影・取材時には何度も衣装を着替える徹底したセルフプロデュースを見せる。

ジェシー・ジェームス【Jesse James】

2000年代に一世を風靡した、カリフォルニア州にあったウエスト・コースト・チョッパーズのオーナー兼カスタムバイク・ビルダー。手がけるカスタムバイクはもちろん、カスタムカーにおいてもすべからく高い技術とセンスでまとめられ、ハイパフォーマンスなニュースクール・チョッパーの旗手として誰もが認める存在であった。また、ディスカバリーチャンネルの、「モーターサイクル・マニア」、「モンスター・ガレージ」という番組にも頻繁に出演し、バイクファンのみでなく一般の人々にもその名が浸透することになった。

ジェット【Jet】

キャブレターの内部にあるセッティングに使う部品。混合気のガソリン量を調整する役割を担い、主に筒状の真鍮製となる。

ジェット・ヘルメット【Jet Helmet】

バイク用に作られた、顔の部分が開いたオープン・フェイス型ヘルメットのこと。1950年代にアメリカの軍用機がジェット機になり、当時のパイロットが被っていたヘルメットが起源となっている。また、バイクではなく軍用品はファイター・パイロット・ヘルメットと言い、大型のバイザーと酸素マスクを装備できるようにフェイス部分が広く取られている。

ジェフ・デッカー【Jeff Decker】

ハーレーダビッドソン社公認の彫刻家。ミルウォーキー州ハーレーダビッドソン・ミュージアム前に展示されたヒルクライム像やレコードブレーカーナックル像が有名。クラシックバイクやバイカーカルチャーへの造詣も深く、収集したレアなアイテム点数や知識は一彫刻家の枠を超えている。

ジェリー・ガルシア【Jerry Garcia】

ロックバンド、グレイトフル・デッドのギター&ボーカル。’60年代のカウンターカルチャーを代表するアイコン的存在のひとりでもあり、デッドヘッズと呼ばれる熱狂的なファンを従えたバンドであった。’95年没、享年53歳。

シッシー・バー【Sissy Bar】

カスタムバイクのリアフェンダー近辺に装着される棒状の金属製パーツ。高さや形状などは多用で、バイクの雰囲気に合わせた物が取り付けられる。タンデム時には背もたれとして使ったり、ツーリングでは荷物をくくり付けて固定するのに重宝する。

シフトン・モーターサイクル・プロダクツ【Shifton Motorcycle Products】

1920年代からバイク・チューニングに没頭してきた創業者トム・シフトンが1958年にスタート。主にカムシャフトに注力していたが、他にもブレーキ・マスターシリンダーなどのブレーキ系パーツも展開する世界中のハーレー乗りに知られたパーツメーカー。

シム【Shim】

主にエンジンやトランスミッションの、微細なクリアランス調整用に使う薄く小さな金属部品。他に、外装のネジ止めなどにも使われている。

ジムズ【Jims】

アメリカ・カリフォルニア州にあるハーレーダビッドソン用のテクニカルパーツメーカー。1967年創業で、エンジンやトランスミッション、プロメカニックが使う特殊工具などを手がけている。

シャークマウス【Shark Mouth】

戦時中のアメリカ軍用機に描かれたノーズ・アート(機体に描かれた絵画)のひとつ。読んで字の如く、シャークの歯型を模した絵図で黒、白、赤の3色を基調としていた。特に有名なのは、1930年代の日中戦争でアメリカ義勇軍に属していたフライングタイガースの戦闘機、カーチスP-40に描かれたものである。起源は、旧ドイツ空軍の急降下爆撃機スツーカに描かれたシャークマウスが最初とされている。

ジャックナイフ【Jackknife】

前輪をロックさせて後輪を浮かせるライディング・テクニック。前輪に全荷重をかけるようにフロントブレーキを強くかけて行う。その姿がヒュッと飛び出る飛び出しナイフに似ていることから命名された。エンドー、またはバーエンドーとも呼ぶ。

ジャックパイン・ジプシーズ・モーターサイクル・クラブ【Jackpine Gypsies Motorcycle Club】

AMA公認の1937年に発足されたモーターサイクルクラブ。アメリカ最大規模のバイクイベント、スタージス・モーターサイクルラリーの創始者であるJ.C.“パピー”ホーエル夫妻も所属していた。スタージスの始まりは、このジャックパイン・ジプシーズが主催するサウスダコタ州ブラックヒルズ一帯を走るジプシーツアーが発展したものだ。

ジャップ・スクラップ【Jap-Scrap】

日本製バイクに対する差別用語。主に日本製を良しとしないアメリカのバイク乗りたちが口にした。

ジャパニーズ・ハーレー【Japanese Harley】

1933~34年の2年間だけ製造された日本製のハーレーダビッドソン。1931年に設立された日本ハーレーダビッドソンモーターサイクル社が、アメリカ本社よりライセンスと設計図、生産機械など製造に必要なすべてを譲り受けて製作に着手。フラットヘッドモデルを正式に手がけて、1935年からはその名前が『陸王』となった。

ジャンク【Junk】

廃品やくずのこと。あるいは、バイクパーツで状態が悪く、一般的には価値のないもの。ジャンクに関しては何をやっても使い物にならないケースと、やり方や使う人次第では活かされる場合の2つに分かれる。

ジャンクヤード【Junkyard】

不要になったバイクやクルマを保管したり解体する場所のこと。または、バラした部品の販売や、輸出を手がける解体業者を指す。

ジャンクヤード・スペシャル【Junkyard Special】

ジャンクヤードで入手したバイクやパーツを使って、コストを抑えて作り上げたカスタムバイクのこと。これと同じ意味が、Swap Meet Special(スワップ・ミート・スペシャル)である。

ジャンプ・スタート【Jump Start】

バッテリーが上がってしまったバイクやクルマを、他車のバッテリーにつないでスタートさせる手法のこと。

ジュークボックス【Jukebox】

必要以上に装飾を施したバイクのこと。

ジュース【Juice】

バイクに使う液体を指す。主にエンジンオイルや潤滑剤を言う。

ジョー・ハント・マグネトーズ【Joe Hunt Magnetos】

ハーレーダビッドソン、インディアン、トライアンフ等のバイクと、クルマ用のマグネトー点火システムを製造するメーカー。第二次大戦中に、航空整備士だったジョー・ハントが飛行機用の点火装置を発案したのがキッカケ。現在はアメリカ・カリフォルニア州にある。

ジョージ・スミス・シニア【George J Smith Sr.】

エンジンのチューニングパーツやコンプリートエンジンのメーカーとして世界中にその名が知られるS&Sサイクルの創立者のひとり。1950年代前半から地元イリノイ州で積極的にバイクレースに参戦し頭角を現した。そして、レース仲間からカスタムパーツの製作を依頼されたことがキッカケとなり、1958年に友人のスタンリー・スタンコスと共に同社を立ち上げた。1981年没。

ショートスター(ハーレー)【Shortster (Harley)】

1972年に発表されたハーレーの小排気量車で、最もコンパクトなモデルであった。ホンダ・モンキーに似たフォルムで、エンジンは2ストローク65ccだったが、翌’73年からは90ccにアップされた。

ジョッキー・シフト【Jockey Shift】

トランスミッションにダイレクトにシフトレバーを装着して、足ではなく手でギヤチェンジ(ハンドシフト)できるようにしたもの。その時の動作が、馬に乗ったジョッキーが鞭を打つ格好に似ていたことからこう呼ばれる。ちなみに、純正のハンドシフトはタンク左脇にシフターがあり、これだとバディーシートをフレームに直付けするとシフト操作がやりにくくなることからジョッキータイプが生まれたと言われている。

ジョッキー・ホイール【Jockey wheel】

チェーンやベルトの張り具合を調整するホイールの意味。

ショック【Shock】

リアサスペンションを指す。サスペンションと同義。

ショットガン・パイプス【Shotgun Pipes】

エキゾーストが上下で2本平行に並んで配置されたもの。2連発散弾銃(ショットガン)の銃身に似ていることから名付けられた。

ショベルヘッド【Shovelhead】

ハーレーダビッドソンのエンジン・モデルのひとつ。製造期間はスポーツスターが1957~85年で、ビッグツインが1966~84年と、スポーツスター(アイアンスポーツ)の方が早くリリースされた。ビッグツインに関して、1970年にエンジンケースの形状がそれまでのパンヘッドタイプから変更され、発電機もジェネレーター(直流発電機)からオルタネーター(交流発電機)式となった。これを受けて、仕様が変わる1966~69年までのショベルヘッドをアーリー・ショベル。1970~84年までをレイト・ショベルと読んでいる。名前の由来はロッカーボックスの形状が『ショベル』に似ていたことで命名された。

ジョリー・ロジャー【Jolly Roger】

海賊旗のこと。絵的にはスカルの下に大腿骨、あるいはソード(剣)をクロスしたデザインで知られ、「抵抗するとこうなるぞ」というのを暗示していたものである。

シングル【Single】

シリンダーが1個のエンジン。単気筒とも言う。エンジンの特性上、小排気量車との相性が良いとされるが、ヤマハSRや英国ノートンのようにビッグシングルと呼ばれる排気量の大きいバイクもある。