ハーレー  ショベルのチョッパーカスタム FXE 1976

HARLEY-DAVIDSON FXE 1976
DRAG ON

April 22nd, 2018

黙々と染め上げる
いつも通りのハラショー

いま、現場を切り回すドラッグオン二代目の速水唯(ゆい)さんは、いつだって工作機械と向き合っている印象がある。あるときは旋盤の前で景色と同化するほどにその場を離れず、またある時は、作業台の上に並べたベアリングニードルをひとつずつ計測して、丁寧にはめ込んでゆくという精緻な作業を淡々と処理。口数少ない寡黙なビルダーは、常に抱えた多量の仕事をまっとうし続けている。

ハーレー  ショベルのチョッパーカスタム FXE 1976

今回の‘76年式FXEは、元々数年前に製作した車両に多少の変更を加えたものだそうだ。

「前オーナーからこれを譲り受けたお客さんは旧車が初めてだった。それで車検的に合致しない箇所もあったんでその辺は手を入れたけど、ほとんど前の状態から変えてないですよ」

ハーレー  ショベルのチョッパーカスタム FXE 1976

元々のカタチを気に入って購入してくれたオーナーだったため、触ったのはヘッドライトやナンバー位置を横にした程度。あとはカラーリングとシートの変更ぐらいである。

「色は自分が乗ってるキャデラックの色が良いということでそうしてる。で、シートをシンプルなソロサドルにして、リアフェンダーは’40年代のフォードに付いてたタイヤカバーの切れ端ですね」

ハーレー  ショベルのチョッパーカスタム FXE 1976

フロントにレプリカの74スプリンガーをセットし、鋭角的な造形のロボハンはステンレスでワンオフ。マフラーやフェンダーステーも同じくステンで製作したものだ。この、光り輝くスチールメッキではない、ひと肌の鈍い光沢を放つステンの活用が同店の特徴だろう。

「ミッドコントロールは当時のままだけど、メカドラムから油圧ディスクに換えたんでそれに合わせてリンケージを修正してる。メカドラムは右側にシャフトがあって、ペダルを踏むと左側で変換する仕組みでしょ。だから元々はここにぺろっとタブが付いてただけ」

ハーレー  ショベルのチョッパーカスタム FXE 1976

そのタブが邪魔でマスターのプッシュロッドが押せないために、右側フットコントロール周りの上部にタブをリセットして調整。都合の良い場所で押せるように改善された。

そうしたテクニカルな作りを得意とする氏は、当然フットコントロールの軸受けにベアリングを挿入。「うちでは必ず入れますから(笑)」と、もはや先方が笑ってしまうほどにいつ聞いても同じ答えが返ってくる。

ハーレー  ショベルのチョッパーカスタム FXE 1976

最後に、エンジンである。ストローカーを組んだ93 cu.in.(1525cc)モーターは、KB製鍛造ピストンやS&S製560カムなどでひと通りジュースアップ。同店の技巧的なディテイルワークと、吊るしを嫌ったチューニングは変わらず健在だ。

HARLEY-DAVIDSON FXE 1976 DETAIL WORK

ハーレー  ショベルFXE 1976のハンドル

HANDLE

ステンレス製ワンオフハンドルに、FORK製のスプリンガー用ナローライズクランプを合わせる。

ハーレー  ショベルFXE 1976のフロントフォーク

FRONT FORK

フロントには定番のレプリカ74スプリンガーを装着。やはりリジッドフレームとの相性は良好だ。

ハーレー  ショベルFXE 1976のオープンプライマリー

OPEN PRIMARY

差し色の赤が映えるクラッチはEVOLUTION製。ステップ周りはワンオフで軸受けにベアリングを挿入する。

ハーレー  ショベルFXE 1976のフットコントロール

FOOT CONTROL

メカドラムから油圧ディスクへの変更でリンケージ周りを修正。テクニカルなモディファイは同店のお家芸。

ハーレー  ショベルFXE 1976のリアフェンダー

REAR FENDER

フェンダーは’40年代フォードのタイヤカバーを流用。ステーはステンレス製でエンドの造形に意匠を凝らす。

ハーレー  ショベルFXE 1976のナンバーステー

NUMBER STAY

ステンで成形したナンバーステー。全面にスロッテッド加工をあしらい、マウント部と丁寧にジョイントされる。

BUILDER’S VOICE

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