ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のチョッパーカスタム

HARLEY-DAVIDSON FXE 1980
POWER GARAGE

February 15th, 2018

バイクとしてどうか
貫く先のブローバック

「峠に行くのが好きなオーナーなんで、ワインディングも走れるように。まあ走りを重視して作ったようなバイクです」

宇都宮のパワーガレージが製作した’80年式FXEは、4速フレームがベースの、どちらかと言えばリジッドフレームでは飽き足りない通好みのモデル。その車高を低くし過ぎないよう全体との調和を計り、コンパクトに絞り上げたチョッパーだ。

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のチョッパーカスタム

エンジンは、内燃機作業も自社でこなす店主浦島さんの手によりクランクバランスから取られ、内部にハイカムをインストール。何気にちょこっとやってる、と話す氏のライトチューンが施されている。何よりロッカーカバーに入ったスリットが、注目箇所であることを無言でアピールする。

一方、フロント周りはどうだろう。フォークはスポーツスター1200Sのアジャスタブルタイプを使用。オーナーが見付けてきたヘッドライトに、ハンドル周りはライザーまでがワンオフである。既製品をベースに、どうしても形が好きになれなかったことから下のボトムライザーをアルミで削り出し、紫に塗ったカラーがうまくアクセントに効く。

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のチョッパーカスタム

次に、一品物ならではの手の込んだハンドルは、スチールパイプと平板のフラットバーという形状の違う金属を使ってジョイント。当初のテーマに掲げた操作性を損なうことなく、カスタム屋としての遊び心を加えたこうしたフレーバーがなんとも心にくい。

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のチョッパーカスタム

左右出しのマフラーもアイキャッチに映えるが、そのまま視線を下に向けると、いかにも剛性の高そうなフットコントロールに目が留まる。PM製のフォワコンとおぼしきデザインはしかし、よく見ると流麗なだけではないタフネスに耐えうる質実剛健な風体だ。

「PM製を加工したのかな。なにげにこうした動く部分は操作性に関わってくるんで。まあちょっとしっかり作ってあげないと、バイクとしてどうなのかなというのはあります。でもノーマルと何が違うんだと言われたら大して変わらないんだけど」

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のチョッパーカスタム

かつての職人が皆そうであったように、浦島さんは無駄口を挟まない。寡黙といえばそうだが、間の取り方で何かが伝わる。感じるものがある。

「この手のチョッパーは得意といえばそうですね。あまり汚いバイクはちょっと……、嫌ってわけではないんですけどしっかり作られてた方が(笑)。まあなんか作るとこうなっちゃいます」

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のチョッパーカスタム

聞くまでもなく分かっていた。こうなっちゃうことを。一連の間のなかで、多くを語らないからこそ強く伝わるものも、ある。

HARLEY-DAVIDSON FXE 1980 DETAIL WORK

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のハンドル

HANDLE

見応えあるハンドル周り。パイプとフラットバーを組み合わせて作ったハンドルに、ライザーもアルミでリメイク。

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のフロントフォーク

FRONT FORK

フォークはスポーツスター1200S用。ホイールはショベル用をブラックアウトしてレーシングレッドが差し色に。

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のガスタンク

GAS TANK

タンクは市販のエッグタンクを採用。ペイントはオーナー自らが知り合いの店に持ち込み塗ってもらったもの。

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のエンジン

ENGINE

専門的な内燃機作業も行う浦島さんの手によりエンジンをライトチューン。ハイカムを組んでセットアップ。

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のフットコントロール

FOOT CONTROL

操作系はPM製をベースにモディファイ。左右出しとしたマフラーには意匠性のあるヒートガードを装着。

ハーレー ショベルヘッド FXE 1980のシート

SEAT

派手な外装のペイントにあわせてシートはホワイトを選択。リアフェンダーは攻撃的なまでのショートタイプ。

BUILDER’S VOICE

POWER GARAGE

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