ハーレー ショベル 2016のディガースタイル チョッパー

HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD
EARLY STARS

October 14th, 2017

アナログとデジタル
独走ディガーの進化形

ディガースタイルのカスタムは数あれど、歴戦のプロフェッショナルが触ればこうもスタイリッシュになるのかと、一種畏敬の念すら抱くボディシェイプだ。往年の焼き増しではない精緻でテクニカルな作りは、見る者をスーッと引きよせる魅力がある。

広島の古参ショップ、アーリースターズがメイクした一台だ。エンジンはデルクロンのケースに純正フライホイールを入れ、シリンダーにS&S製を使用。ヘッドはビッグバルブ加工を施したツインプラグ仕様で、排気量1460ccのチューンドモーター。『走れるディガー』がコンセプトのため過度なセットアップを避けたメニューに仕上げられている。

ハーレー ショベル 2016のディガースタイル チョッパー

まず押さえたいのはフレームだ。専用のジグを持ち、この道20年以上に渡り手掛けて来たその腕は一級品。同業者をも唸らすスキルは年々磨きがかかり、もはや容易く手の届くレベルにはいない。強度と精度、デザインの三拍子を揃えたフレームワークは、もうそれだけでお腹いっぱいのインパクトだ。

ハーレー ショベル 2016のディガースタイル チョッパー

「ドラッグレーサーの要素? そこまでは言いません。でもストリートで速く走れるように軽く作ったのはありますね」

代表の中村さんが流されることはない。こちらが振った話の内容が違えば否定し、そこから持論を展開する。こうしたなんてことないやり取りにこそ、ビルダーとしての気骨が現れる。

ハーレー ショベル 2016のディガースタイル チョッパー

「フォークダンパーの構造とかもやっぱり時間が掛かるから大変だったのはそうだけど、この色にしたことでちっちゃなギミックが見えなくなったというのが(笑)。ネックの裏とかいろいろやってるんだけどまったく見えない(笑)」

達観している。手間暇かけた部分は作り手にとって唯一のアピールポイントであるはずなのに、一笑に付してしまう。かつて市内のホームボーイが憧れたショップにはそれなりの理由がある。

ハーレー ショベル 2016のディガースタイル チョッパー

外装は得意の鈑金で製作。タンクは貼り物じゃなく、当て板とハンマーで仕上げたセクション。なので、両サイドのえぐりとスリットが入った部位も当然一枚板での鈑金だ。このアナログな手法に加え、図面を引いてマシニングでレーザーカットしたオリジナルパーツが合わさることで、堅牢な完成度を誇る。

ハーレー ショベル 2016のディガースタイル チョッパー

「ハーレー屋を始める前からディガースタイルが好きだったんで。まあこういうのがやりたくて始めたっていうのかな(笑)」

一糸ブレないスタンス。ディガーを愛した男の讃美歌がここにある。

HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD DETAIL WORK

ハーレー ショベル 2016のハンドル

HANDLE

タンクにピタリと沿う形状のティラーバー。単純に鉄パイプを曲げるだけでない3Dのデザインが同店らしい。

ハーレー ショベル 2016のフロントフォーク

FRONT FORK

VLフォークをベースにモディファイ。フロントレッグの形状やリアのサポートステーなど徹底的に手が入る。

ハーレー ショベル 2016のフロントエンド

FRONT END

ダブルのキャリパーステーは図面を引きレーザーカットで製作。ダンパーを設置したテクニカルな構造となる。

ハーレー ショベル 2016のガスタンク

GAS TANK

成形したタンクはトンネル部と上面3ピースの鉄板から成る。ハードルの高い大理石を思わすペイントが個性だ。

ハーレー ショベル 2016のフレームワーク

FRAME WORK

強度と精度を併せ持つフレームワーク。デザインに関してもここまでソリッドかつ精緻に手が入るものは珍しい。

ハーレー ショベル 2016のリアフェンダー

REAR FENDER

スリットの入ったストラットと溶け込むリアフェンダー。フロントからの流れるようなラインで統一される。

BUILDER’S VOICE

EARLY STARS

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