トライアンフ 6T サンダーバード 1958のチョッパーカスタム

TRIUMPH 6T THUNDERBIRD 1958
LIBERTARIA

January 2nd, 2017

20インチホイールの
ブリティッシュチョッパー

1930年から80年代までのトライアンフを専門に扱う、埼玉の『リバタリア』。レース活動を通じて得たノウハウをフィードバックさせた、『機能美』を持ったマシンに定評のあるショップだ。しかし今回の’58年式サンダーバードは同店のカラーでは珍しいチョッパーにメイクされたが、やはりそこはリバタリア。トライアンフ愛に満ちた代表藤久さんが単なるチョッパースタイルで終わらすことはない。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のチョッパーカスタム

発端は、オーナーが持ち込んだフレームとエンジン、ミッションである。しかしフレームは、’58年式スイングアームのフロントフレームと、’50年前後のファクトリーリジッドのリアフレーム。ひとつではなく、まさかのニコイチというトリッキーなオファーからカスタムは始まり、まずはこの二つをくっ付けるところから着手された。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のチョッパーカスタム

「チョッパーが良いというお客さんで、持ち込んだ物を使って組み立てて欲しいとのことだった。そこでまあ、ウチでやるからにはアメリカではなくブリティッシュなチョッパーにしようと思って、ホイールやシート周りに手を加えていきました」

フロントホイールはチョッパーの王道的サイズの21インチではなく、20インチを選択。それに合わせて、リアは19インチでバランスが取られている。このホイールサイズがなんとも玄人の琴線に触れる箇所で、王道のサイズからわずか1インチ違うだけで見た目の印象は大きく変わる。しかもそれは、『通』をニンマリさせる類のものだ。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のチョッパーカスタム

ローダウンした車体と21インチのセットアップは文句無しにキマるが、それではアメリカのイメージが強い。そのためこの、’50年代のトライアンフに採用されていた20インチを使うことで、英車感をさらりと引き出したのである。

では、コブラシートに目を移そう。これは当初から付けたいパーツだったと言うが、この手のブリティッシュチョッパーでのコブラはほとんど見かけない。つまり、このスタイルに合う既製品などあるはずもなく、シートベースから鉄板を叩き出して作られていくことに。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のチョッパーカスタム

他のパーツと合わせて外装は整った。しかし同店の真骨頂といえば、内燃機である。同業のプロショップからの信頼も厚いその腕で、持ち込まれたエンジンはすべてリビルドされ、更に、発電と点火を不安のない仕様にモディファイ。マグネットを外してそこからブリージングを抜き出し、フライホイールマグネット一体式タイプがオルタネーターカバー内にセットされた。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のチョッパーカスタム

ワンオフと有り物を巧みに使ってメイクされた一台は、周りが皆アメリカナイズドしたチョッパーに傾倒していく中でも、迎合することなくブリティッシュ路線を堅持。そして、同店が得意とするイギリスのマナーを取り入れたそれには、他を寄せ付けない誉れ高き英国の、ひと味違った存在感が漂う。

TRIUMPH 6T THUNDERBIRD 1958 DETAIL WORK

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のヘッドライト

HEAD LIGHT

ヘッドライトはトラクター用のレプリカを気持ち下に向けて装着。ナローなフォークにベストな収まりを見せる。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のガスタンク

GAS TANK

スチールでワンオフしたガスタンク。上面にはシンプルながら目を惹く立体的デザインのアクセントが入った。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のエンジン

ENGINE

得意のエンジンワークでフルリビルド。発電と点火の不安を無くすためフライホイールマグネット一体式となる。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のシート

SEAT

あまり他人がしていないことからコブラスタイルに決めていたと言う。鉄板からシートベースを作っている。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のマフラー

MUFFLER

パイプをジョイントしたのではなく、流麗なアールを描くルックスの良さから丹念に手曲げで成形したマフラー。

トライアンフ 6T サンダーバード 1958のシッシーバー

SISSY BAR

ワンオフのシッシーバーに、フェンダーはトライアンフユニットの19インチ用フロントフェンダーを流用。

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