ヤマハ SR400のカスタム 1997年

YAMAHA SR400 1997
ROCKET MOTOR CYCLE

November 3rd, 2016

ゴリ押しとチャレンジング
満足度向上のアプローチ

「お客さんのオーダーはフルカスタムのチョッパー。あとはお任せでやってくださいという感じだった。フォークカバーとシッシーバーは新しく提案したもので、他はうちがよくやるスタイル。元々、前に作った車両を見て来てくれた人だったのでそれありきでしたね」

ヤマハ SR400のカスタム 1997年

1997年式SR400がベースのストリートチョッパーである。パッと見は、低くマウントしたハンドルやピーナッツタンクで軽やかにまとめたフォルムからトラッカー的な印象も受ける。しかし、フォークカバーやシッシーバーの個性が際立ちそのカテゴリーに収めることは難しい。ビルダーの星さんはそこを狙い、「形は出尽くしたものかもしれないけど、この手の組み合わせをやってる人は少ない」と、これまで同店が得意とするスタイルに、新たなエッセンスを加えた。

ヤマハ SR400のカスタム 1997年

その均整の取れた佇まいは、作り手の感性を如実に物語ってもいる。例えば、ハンドルのマウント位置とシッシーバーの高さである。本来、低いハンドルに高さのあるシッシーバーを合わせるのはバランス的に難しいとされるが、ご覧の通り、得も言えぬフィッティングで違和感なくセットアップ。低いシッシーバーで当たり障りなく安パイを切るのではなく、チョッパー然としたフォルムを入手するため果敢に攻めた結果が功を奏している。数々のカスタムに触れてきた経験値が物を言う箇所だ。

ヤマハ SR400のカスタム 1997年

「お客さんの要望をイチから全部聞いてカスタムするというスタンスではない。どちらかというと、ウチが積極的に提案する方かもしれませんね。やっぱりプロとしてお客さんより多くの物を見て来てるのは間違いないと思う。だからそこは、『こうした方が良い』って言うべきだし、結果的にその方が満足してもらえるはず。そりゃあゴリ押しするときもありますよ(笑)」

ヤマハ SR400のカスタム 1997年

ゴリ押しとは言うが、きっと大らかな雰囲気を持つ店主の言葉なら、お客さんの中にすんなりと入っていくはずだ。ワンオフだけでなく汎用パーツを巧みに使い分けることで、限られた予算内でフィニッシュしたストリートチョッパーだが、最後の仕上げとなるペイントとピンストライプも見逃せない箇所だ。

ペイントは知り合いの塗装屋に依頼したもので、単なるネイビーではなく入念に打ち合わせて調色したスペシャルである。そして、ピンストライプはシェイキンスピードグラフィックスの清水さんによりドロウ。この単色ホワイトを使った往年のラインが、多様性を増す現在のペイントシーンではかえって新鮮だ。

ヤマハ SR400のカスタム 1997年

「前にもシェイキンさんにお任せでやってもらった。細かく注文するよりその方が結果的に良いんですよ」。それが成り立つのは、プロポーションが取れた一台だからこそである。

YAMAHA SR400 1997 DETAIL WORK

ヤマハ SR400のハンドル

HANDLE

ハンドルはブラットスタイル製のローボバー・バー。樹脂グリップは外装の色と合わせた物を選択している。

ヤマハ SR400のフロントフォーク

FRONT FORK

ノーマルのフォークにアクセントに効かせたモーターロック製カバーを装着。ピンストライプが映えている。

ヤマハ SR400のガスタンク

GAS TANK

汎用のピーナッツタンクをベースに、アンダーパネルを加工してハイマウント。全面にピンラインが炸裂する。

ヤマハ SR400のシート

SEAT

ワンオフのソロシートの下、シートレールは軽快な印象を出すため後部をカッティングして端は丸く均される。

ヤマハ SR400のマフラー

MUFFLER

マフラーはカスタムスタイルを問わず相性の良いメガフォンタイプ。重低音の効いた落ち着いた音量となる。

ヤマハ SR400のシッシーバー

SISSY BAR

高さのあるワンオフシッシーバーを絶妙な加減で全体と調和。ライトはクルマ用のフォードテールを流用。

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