トライアンフ ボンネビル1966のカスタム

TRIUMPH BONNEVILLE 1966
DOCKLANDS SPEED SHOP

September 26th, 2016

当時の砂漠を駆けた
‘60sデザートスレッド

派手に手を加えず素性の良さを活かした、『デザートスレッド』。’60年代当時に、砂漠を駆けたレーサーを彷彿とさせるスタイリングを持つ1966年式ボンネビルである。よってカスタムらしいカスタムはされておらず、要所で小技をピリッと効かせたのみ。しかしながら、そこはトライアンフに特化したショップならではの感性が発揮されている。

トライアンフ ボンネビル1966のカスタム

まず、ベース車の主だったスペックを見ていこう。ボンネビルは’66年のこの年に、エンジンの圧縮比が8.5:1から9:1へとハイコンプ化され、それに合わせてオイルポンプ容量も増やされ耐久性が高められている。そして、電装系はそれまでの6Vから12Vへと変更され、信頼性も飛躍的に向上。また、プライマリーケースから入れていたリアチェーンの給油はオイルタンクからに移行された。

こうした多くのマイナーチェンジが実施されたこのボンネビルは、基本的には海外から引っ張ってきた状態にちょっと手を入れた程度だと言う。「アメリカで草レースをやっていたものだったから配線は一切なかった。その辺はこっちで発電とかをやって街乗り出来るようにしたけど、あとは本当に大したことはしてないです」。

トライアンフ ボンネビル1966のカスタム

逆に、フレームやタンクなどの外装はオリジナルペイントのままだったので、その希少性も相まり下手に手を加えることは避けられた。

純正のアマルキャブは当初、吹けるだけ吹けてアイドリングしない状態。そこで調整や修理を得意とする同店は難なくセッティングを出して、エンジンも軽くシェイクダウン。点火はポイントからCDIへと変えられ、まともに走る状態へと持っていかれた。

トライアンフ ボンネビル1966のカスタム

「外装はお客さんの持ち込みのテールとヘッドライトを変えた。というか付けただけです(笑)。あとはリアフェンダーを短くして、当時誰かが作ったベイツに寄せたシートを載せて、スピードメーターの変わりにタコメーターを1個にしたのかな」

そして、見栄えが良く土っぽさが出るという理由でエキパイはトロフィー用の左出しに換装。この、わずかなチェンジ箇所のほぼすべての小技が痛快に効いている。トライアンフの本場イギリスでの生活で磨かれた感性が実に良く冴え渡っているのだ。

トライアンフ ボンネビル1966のカスタム

確かにこのボンネビル、ストックの状態で十分雰囲気のあるスタイルである。ブラックアウトされたフロントフォークは純正で、質感の高いアルミ製ボトムカバーも同様。昨今のハーレー系カスタムビルダーが模倣するディテイルのひとつに、この手の往年の英車が挙げられることを考えれば、相当に完成度の高いバイクであることが理解できよう。

「とりあえず走れるように」と修理前提で手をかけた一台は、本場仕込みの審美眼で、土ぼこりが盛大に舞う地を疾走する『デザートスレッド』にまとめられている。

TRIUMPH BONNEVILLE 1966 DETAIL WORK

トライアンフ ボンネビル1966のハンドル

HANDLE

シンプルの極致、美しいアールを描く往年のハンドル。スピードメーターの換わりにタコメーターを装着。

トライアンフ ボンネビル1966のフロントフォーク

FRONT FORK

ストックでこの造形である。ブラックアウトで引き締められ、質感の高いアルミ製のボトムがアクセントになる。

トライアンフ ボンネビル1966のガスタンク

GAS TANK

ガスタンクはストックで加工は無し。縦に入るラインを含めペイントは希少なオリジナルの状態をキープする。

トライアンフ ボンネビル1966のシート

SEAT

一見ベイツ製かと思いきやさにあらず。当時の誰かが似せて作ったもどきである。とは言え、中々の完成度だ。

トライアンフ ボンネビル1966のマフラー

MUFFLER

土っぽい雰囲気を出すためトロフィー用のエキパイに換装。キャブはストックのアマルを調整して装着。

トライアンフ ボンネビル1966のリアエンド

REAR END

オーナー持ち込みのテールライトを付けたリアエンド。飾り気のないシンプルなディテイルが逆に目を引く。

BUILDER’S VOICE

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