ハーレー パンヘッドFLのチョッパー

HARLEY-DAVIDSON FL 1963
HAUNT MOTOR CYCLE

September 9th, 2016

練馬の先輩陣がサポートした
ハンドルありきのチョッパー

東京練馬区のハウントモーターサイクル。国内屈指のカスタムビルダーがひしめく地区において、年々その存在感を増しているショップだ。今回の’63年FLベースのチョッパーは、2015年の横浜ホットロッドカスタムショーに出展されたものである。

アメリカから引っ張ってきたこのパンヘッドは、エンジンがかからないボロボロの状態から製作を開始。「自分用のこのパンとお客さんのショベルの2台一緒に向こうから入れて来たんですけど、途中でそのショベルのお客さんがパンの方が良いって。それでこれを仕上げてショーに出すことにしたんです」と、代表の野口さんは言う。

ハーレー パンヘッドFLのチョッパー

『1960~70年代前半にかけて実際にアメリカを走っていたチョッパー』をイメージして作業は進められた。ちなみに、このチョッパーはお客さん付きではあるもののほぼ野口さんの好みでまとめられたそうだ。

では、『自分が乗りたいチョッパー』という作り手冥利に尽きる一台の、2つの大きなポイントを見ていこう。

ハーレー パンヘッドFLのチョッパー

まずひとつに、ハンドル周り。今回のチョッパーにはどうしてもハウントオリジナルのハンドルを付けたかったため、それに合わせてライザーもワンオフ。一見しただけでは、その労力を伺い知ることは出来ないが、その実、かなりの手間暇がかかった箇所である。

「まだ大々的には出してないんですけどこのハンドルを売っていく予定です。だからメインでこれを使いたかった。そうすると市販のライザーだと幅が広くて合わない、狭いのでないとダメなんですね」

ハーレー パンヘッドFLのチョッパー

ライザーは4日間もの時間を費やして完成させたパートだ。無垢の鉄棒からハンドルを通す上側と、下側のマウント部分の穴をとにかく根気良く旋盤で削り続けたと言う。そして、二つ目はフロントフォークである。

アイアンスポーツ用のφ33.4フォークは見事なまでのショークオリティにフィニッシュされた。露出したスプリングは、「トライアンフっぽくしたかった」という野口さんたっての希望によるもので、製作は先輩格のチェリーズカンパニー黒須さんが担当。元々柔らかめのバネレートは固めに調整され、上下の真鍮製カラーがアクセントに効いている。

ハーレー パンヘッドFLのチョッパー

そして、アイアン用のネック部分のシャフトは細いため、1インチのシャフトに入れ替え、それにともないネックベアリングも交換されている。

「ライザーはチーターカスタムサイクルズの大沢さんに教わりながらで、フォークはチェリーズの黒須さん。先輩方の助けを借りてなんとか完成させることが出来ました」

今注目を集める、アメリカ西海岸・オレンジカウンティの『サイクルゾンビーズ』からもインスパイアされたという’63FL。スタイルこそ同一線上だが、海外勢が簡単には真似できない国産としてのキメ細かな作りが随所に現れている。

HARLEY-DAVIDSON FL 1963 DETAIL WORK

ハーレー パンヘッドFLのフロントフォーク

FRONT FORK

アイアンスポーツ用の33.4φフォークを使いトライアンフルックにモディファイ。美しい鏡面仕上げとなる。

ハーレー パンヘッドFLのハンドル

HANDLE

今後市販予定のオリジナルハンドルと、ワンオフのカニライザー。4日間もの時間を要した注目ポイントだ。

ハーレー パンヘッドFLのガスタンク

GAS TANK

ワッセルをベースに製作。横から見た際アンダーパネルが地面と平行になるようにトンネル部が作り直された。

ハーレー パンヘッドFLのシート

SEAT

シートベースは同店が用意し、使い込むほどに風合いが増すホワイトシートの張り替えはスカンクが行なった。

ハーレー パンヘッドFLのマフラー

MUFFLER

フィッシュエンドのアップスイープマフラー。そして、3点留めのマウントも同じくワンオフによるものだ。

ハーレー パンヘッドFLのリアフェンダー

REAR FENDER

VLのフロントフェンダーを流用して幅詰め加工。スリットのルーバーはムーン製エアクリを使ったものだ。

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