ハーレー ナックルS&Sのカスタムチョッパー

HARLEY-DAVIDSON KNUCKLEHEAD
STOOP MOTORCYCLES

September 5th, 2016

70を越えたおじいちゃんが乗る
セル付きナックルヘッド

このバイクの紹介に入る前に、まず、何よりも先に伝えておきたいことがある。それは、乗り手であるオーナーの年齢だ。その年、なんと71歳である。

煌びやかな装飾を施したツアラー系でもなく、また、最新のパフォーマンスを備えた新車でもなく、選んだのはこの、お世辞にも乗りやすいとは言えないドチョッパーである。いやはや、なんて惚れぼれする生き様だろうか。人生の大先輩にそんな粋なチョイスを見せつけられてしまっては、ぐうの音も出たもんじゃない。

世間一般的に『おじいちゃん』と呼ばれる世代のそのオーナーは、埼玉県戸田市のSTOOP MOTORCYCLESに、自らイメージする絵を持ち込んできたと言う。つまり、誰のアドバイスをもらったわけでもなく、最初からこのカタチにしたいという明確なビジョンがあったわけだ。

ハーレー ナックルS&Sのカスタムチョッパー

そして、それを受けて『モーリー』のニックネームで知られる、店主の生森さんは早速カスタムに着手した。当初はナックルヘッド・エンジンをオーバーホールして、完調な状態で納車することを考えていたが、やはりそこは今から80年以上も前の旧車である。この先走り続けていけば、きっと大なり小なりのトラブルは発生するはず。そこで、エンジンとミッションはドイツのカスタムテクニック社が販売する新品のナックルヘッドを使うことにした。

外装に関しては、『おじいちゃん』の描いてきたラフスケッチがストゥープ・モーターサイクルズの得意とするスタイルだったこともあり、スムーズに作業は進められた。コンセプトはずばり、『いつも通りのやつ』。

「飽きない普通の感じ。もっと良いこと言った方が良い?(笑) でも、俺のいま出来る目一杯のカタチがあれなんです。だから、お客さんにもあれぐらいしか出来ないよって。これがストゥープのスタイルというか。それに、もしオーナーがカタチに飽きてしまったとしても、フロントフォークを伸ばしたり短くしたりする選択肢も残しておきたい。だから基本的に、フレームのネック部分がストレッチしていたりグースネックのものは避けている」

ハーレー ナックルS&Sのカスタムチョッパー

『シュッ』とコンパクトにまとめ上げた車体を前に、モーリーさんは『普通の感じ』と飄々と言うが、このマシンバランスを事も無げにカタチに出来るビルダーはそうそう多くはいない。

ストゥープのバイクは、乗り手がエンジンに火を入れ走り出して初めて完結する。そのポリシーは屋号にも謳われている通り、猫背(ストゥープ)のライディングスタイル。両足をステップに置いてハンドルを握ったときの、若干前かがみになるその姿勢はアグレッシブで、なにより見栄えが良い。

乗って絵になるチョッパー。バイク単体では50%、そこにオーナーが来て50%。走って初めてその2つが足されて100%になると、モーリーさんは言う。

HARLEY-DAVIDSON KNUCKLEHEAD DETAIL WORK

ハーレー ナックルS&Sのフロントフォーク

FRONT FORK

定番の74スプリンガーに、ロボハン形状のショートハンドルを装着。ヘッドライトのサイズ感もベストマッチだ。

ハーレー ナックルS&Sのガスタンク

GAS TANK

リサイズしたワンオフのスポーツタンクには、しっとり落ち着いたトーンでグラデーションのペイントが入る。

ハーレー ナックルS&Sのエンジン

ENGINE

ドイツのカスタムテクニック社製ナックルヘッド・エンジン。不安の無い新品コンプリートモーターである。

ハーレー ナックルS&Sのミッドステップ

MID STEP

ワンオフのミッドステップにより得意のライディングスタイルを形成。リンケージの取り回しに無駄はない。

ハーレー ナックルS&Sのマフラー

MUFFLER

ブラックアウトされたミッドハイマウントのショットガンパイプ。エンド部にはショップロゴの刻印が入る。

ハーレー ナックルS&Sのリアエンド

REAR END

フェンダーのショートカットで最大限に露出されたリアタイヤ。シッシーバーのシンプルな造形も見事だ。

BUILDER’S VOICE

STOOP MOTORCYCLES

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