ヤマハ DT250のカスタムチョッパー

YAMAHA DT250
ECCENTRIC MOTORCYCLE

August 25th, 2016

埼玉県川口の両雄による
神がかり的ジョイント・ワークス

2015年開催のホットロッドカスタムショーで、見事Best Motorcycle Domesticに輝いた一台。もはや原形を留めていないが、ベースはヤマハのデュアルパーパスタイプの『DT』である。カスタムバイクの素材には珍しいチョイスだが、そんなことよりも、製作にあたってのアプローチの方が意外である。

担当したのが、ひとつのショップではないのだ。埼玉県川口の車坂下モトサイクルと、同じく川口のエキセントリックモーターサイクルの両者によるジョイント・ワークスなのである。その辺の経緯をエキセントリック店主の大西さんに聞いてみた。

ヤマハ DT250のカスタムチョッパー

「車坂下の野呂さんのところにDTがあって、それを見たオーナーさんが『欲しい』って。そこで、僕とも面識のあったオーナーさんが、野呂さんと僕が共同でひとつのバイクを作ったら面白いんじゃないかって。もちろん僕と野呂さんは元々交流があるから意外とスムーズに話しは決まった。なので、オーナーさんの提案で始まったカスタムなんです」

ヤマハ DT250のカスタムチョッパー

どうせやるなら徹底的に。そして、2015年のホットロッドカスタムショーでアワードを獲得するという明確な目標を立ててジョイント・ワークスはスタート。が、実際にどういう形にするかという肝心のカスタムスタイルについては当初、固まった案はなかった。しいて言えば、「チャリンコのような、ビーチクルーザーのような」というぼんやりしたもの。しかしそこは、お互いにカスタム界で名を馳せたプロフェッショナルである。手探り状態で作業を進めていくなかで、今回の目指すべきカスタムの方向性が見えてきた。

ヤマハ DT250のカスタムチョッパー

どこから見ても隙の無い作り込みからなるヤマハDT。曰く、「見せ場はやっぱり細かい部分。シートのブラケットを見てもらいたいんだけど、かなり手間暇かけてます。そういう箇所が全体に渡ってある」とのこと。しかも、目一杯作り込んだこのブラケットを最初に作ったがために、すべてがこれ基準。これ以下のクオリティになるのは許されない為に、わずかな油断もできない実にスリリングかつ集中力を要す作業が延々と続いた。

結果は見ての通りである。設計図から起こしたフレームに前後21/18インチホイールをセットし、外装はほぼすべてワンオフ。シート下の右側に2スト用オイルタンク、左側に電装ボックス、その下には同デザインのバッテリーボックスを配置し、最後は野呂さんの手で鮮やかなグリーンにペイント。ぐうの音も出ない完成度でフィニッシュされた。

ヤマハ DT250のカスタムチョッパー

「アワードを獲る」。有言実行という言葉があるが、カスタムショーでそれを実現するとなれば多くの不確定要素が複雑に絡み合うため、どれほど製作したカスタムに自信があってもその難易度は非常に高い。しかし、狙い通りのBest Motorcycle Domesticの獲得。もはや神がかり的である。

YAMAHA DT250 DETAIL WORK

ヤマハ SR400のハンドル

GAS TANK

スチールを叩き出して製作したセパレートタイプのガスタンク。中央の飾りリブがアクセントになる。

ヤマハ SR400のガスタンク

SEAT

作り手の意気込みを痛烈に感じる意匠を凝らしたシート周り。シートとブラケットはメッキ処理が施される。

ヤマハ SR400のエンジン

ELECTRIC BOX

ゆるやかなアールを基調にした電装ボックス。下部にスイッチを配置。オーナーの経営するショップ名が入る。

ヤマハ SR400のリアビュー

OIL TANK

2ストオイルの入るタンクもワンオフによるものだ。そしてこれらは全て丸みのあるデザインで統一される。

ヤマハ SR400のマフラー

SIDE NUMBER

チェーンカバー、テールライトマウント、ナンバープレート&ステーと、すべて手作業で妥協無く仕上げられた。

ヤマハ SR400のフロント

CHAMBER

2スト特有のチャンバーもワンオフで製作。地面との平行ラインやカチ上がり角は緻密に計算されてのものだ。

BUILDER’S VOICE

ECCENTRIC MOTORCYCLE

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